遺伝子って何でしょう?
DNAって何でしょう?
遺伝子とDNAとは何が違うんでしょう?
遺伝子の研究を続けられて数十年という、ダン博士です。
わしに似て、いい男じゃよ。
よろしい。まずは、DNAの構造から説明してあげよう。
DNAとは、デオキシリボ核酸(Doexyribo Nucleic Acid)を省略した名前で、その構造は下の図のように2本の鎖がお互いに絡まりあったような構造をしているんじゃ。しかも規則正しく螺旋(らせん)状になっており、前進するにつれて右巻き(時計回り)に回るようになっておる。2本の鎖が螺旋(らせん)状になっているから、この構造を”二重らせん構造”と言うんじゃ。見てごらん、美しい形じゃろ?
ふむ。塩基は、DNAの機能において最も重要な部分じゃ。上の図のようにDNAの塩基にはアデニン(A)・チミン(T)・グアニン(G)・シトシン(C)の4種類あって、それぞれ糖の1’の位置に結合しておる。そして結局、DNAの各々の鎖は、下の図のようになっておるんじゃ。さらに、DNAの鎖には方向があって、糖の5’の炭素が向いている方向を5’側、3’の炭素が向いている方向を3’側と呼ぶことになっておる
う〜ん、エクセレントな質問じゃ。実はDNAの2本の鎖は、これら4種類の塩基によって結合しておるのじゃ。しかも、必ずAとTあるいはGとCがペアになって結合しておる。このペアを塩基対と呼ぶんじゃ。この組み合わせがDNAの機能に重要なんじゃが、それは別のページでお話しすることにしよう。それともう一つ忘れてはならないのが、2本の鎖は逆向きに並んでいるということなんじゃ。つまり、一方の鎖は左側が5’側で右側が3’側、もう一方の鎖は逆に右側が5’側で左側が3’になっておるんじゃ。下の図を見てもらえば、分かりやすいじゃろう。
ちなみに、DNAの長さはこの塩基対の数で表すんじゃ。つまり、塩基対100個分の長さを、100塩基対という。
よろしい。DNA上には、生物の体の構築や生命活動に必要なタンパク質などを作るための設計図がたくさん書いてあるんじゃ。この設計図の詳細については、また別なページで説明しよう。長〜い、長〜いDNA上には、さまざまなタンパク質の設計図が並んでおる。この設計図の部分のことを遺伝子というんじゃ。下のアニメーションを見てごらん。この絵では、DNA上に3つの遺伝子がある。これらA, B, Cの3つの遺伝子が、それぞれA, B, Cの3つのタンパク質を作るための設計図になっておるんじゃ。そして、これらのタンパク質が生物の体を作り、動かしているんじゃ。遺伝子からタンパク質が作られる過程も、別なページで紹介しよう。