このページのテーマは、これ!
遺伝のしくみ(分離の法則)を勉強しよう
遺伝のしくみ(分離の法則)を勉強しよう
前のページに引き続き、今日も遺伝の勉強ですね。
そう。前のページでは、優性の法則について勉強したが、ちゃんと覚えておるかな?今日は次の法則、分離の法則について勉強しよう。
分離の法則?
いきなり分離の法則について説明するのは難しいから、メンデルの実験とともに徐々に説明していこう。その前に、優性の法則の復習じゃ。黄色い豆のエンドウと緑色の豆のエンドウを交配したら、その次の世代(雑種第1代)はどうなったかね?
その通りじゃ。豆を黄色くする遺伝子をA、豆を緑色にする遺伝子をaとすると、最初の黄色いエンドウ豆は、2本の相同染色体の両方に遺伝子Aを持ち、緑色のエンドウ豆は両方に遺伝子aを持つことになる。
上の絵の通りですね。
そして減数分裂の結果、黄色い豆のエンドウからは遺伝子Aを持つ花粉・卵ができ、逆に、緑色の豆のエンドウからは遺伝子aを持つ花粉・卵ができる。したがって、この両者を交配すると、一方の相同染色体に遺伝子A、もう一方に遺伝子aを持つエンドウが出来るんじゃ。しかし、遺伝子Aは遺伝子aに対して優性であるため、この雑種第1代はすべて黄色いエンドウ豆になるということじゃ。
では、ここからが本題じゃ。雑種第1代の黄色い豆のエンドウどうしを交配したら、次の世代(雑種第2代)はどうなるじゃろう?
もちろん、黄色どうしを交配するのだから、全部黄色になると思います。
ところが実は、雑種第2代では黄色の豆と緑色の豆とが3:1の割合で出てくるんじゃよ。不思議じゃろう?なぜそうなると思うかね?
そう。またもや遺伝子の登場じゃ。上にもあるように、雑種第1代の黄色い豆のエンドウは、一方の相同染色体に遺伝子A、もう一方に遺伝子aを持っておる。では、この雑種第1代が減数分裂をおこなうと、花粉や卵はどうなるじゃろう?
減数分裂の時は、2本の相同染色体は分れて別々の細胞に入るはずです。だから、Aを持つ花粉・卵と、遺伝子aを持つ花粉・卵の2種類が出来るはずですよね?
その通りじゃ。しかも、この2種類が同じ割合で出来る。これが、分離の法則なんじゃ。つまり、1つの形質(特徴)を決める2つの遺伝子は、2本の相同染色体のそれぞれに乗っており、減数分裂のときにそれぞれ分れて別々の細胞に入るということじゃ。
上のエンドウの場合、豆の色(形質)を決める2つの遺伝子Aとaが2本の相同染色体のそれぞれに乗っており、減数分裂のときに別々の花粉あるいは卵に入っていくということですね。
そうじゃ。では、Aaという遺伝子を持つ雑種第1代から生じた花粉と卵を交配させると、どうなるか考えてみよう。遺伝子Aを持つ花粉は、遺伝子Aの卵(めしべ)とも受粉できるし、遺伝子aの卵とも受粉できる。遺伝子aの花粉の場合も同様じゃ。下のような表を作ると、分かりやすいじゃろう。
リーグ戦の対戦表みたいに、組み合わせを考えればいいんですね?
うむ。この組み合わせにより、1つのAAと2つのAaと1つのaaを生じることになる。AAは黄色い豆、Aaも黄色い豆で、aaだけが緑色のエンドウ豆になるので、結局黄色と緑色の豆が、3:1の割合になるんじゃよ。
なるほど。だから3:1なんですね。
そう、分かったかな?さぁ、まだまだ続くぞ!
う〜、難しくなってきたよぉ...